ITトラブルはいつも突然に
- KOBAYASHI

- 12 分前
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前触れのない瞬間
朝、いつも通りパソコンを開いたら動かない。資料の提出直前にネットが落ちる。送ったはずのメールが相手に届かない。そんな時、空気が一瞬止まるような感覚になります。
多くの人が「まさか今日に限って」と思いますが、実際には突然ではありません。少し前から動作が重かったり、再起動すれば直ると思って放置したり。小さな違和感が積み重なり、限界を迎えただけなのです。
偶然に見えるトラブルは、日々の運用の積み重ねで防ぐことができます。
見えない損失
パソコンが止まると、失うのは作業時間だけではありません。商談が遅れ、出荷が滞り、取引先からの信頼にも影響します。表面的には数時間の遅れでも、信頼を取り戻すには何倍もの時間がかかります。
修理費よりも痛いのは、目に見えない信頼の損失です。トラブルを防ぐ仕組みづくりは、単なるコストではなく、企業の信用を守るための投資だと考えるべきです。
属人化の壁を越える
多くの企業では、詳しい人に頼り切りの体制が当たり前になっています。けれど、その人が休んだ日や退職した後にトラブルが起きたらどうでしょう。現場が混乱するのは、技術の不足ではなく、対応手順が共有されていないからです。
障害が起きた時に誰が何をどの順で行うか。これを決めておくだけで、経験の浅い社員でも初動を取れるようになります。分厚いマニュアルは不要です。要点を用紙一枚にまとめておくだけで、現場の安心感は大きく変わります。
移行期に見える課題
Windows10のサポート終了が近づく今、多くの企業が移行作業に追われています。この時期にトラブルが増えるのは当然です。アプリの互換性、古い周辺機器の対応状況、業務時間帯の切り替えなど、見落とす要素が多いからです。
重要なのは、技術ではなく段取りです。誰の作業が止まると困るのか。どの部署が影響を受けやすいのか。優先順位をつけて移行を進めれば、混乱は最小限に抑えられます。
廃棄より再配置
壊れたパソコンをすぐ廃棄してしまうと、思わぬ手間が発生します。
データの消去証明、資産台帳の更新、廃棄証明書の発行。処理を誤れば、情報漏えいや監査上の問題に発展することもあります。再利用のルートを整えておけば、緊急時の予備機として活用できます。少し古い端末でも、来客用や軽作業用としては十分使えます。
廃棄を急がず、再活用の余地を残すことが、結果的にコスト削減にもつながります。
トラブルに強い会社の共通点
トラブルが起きた時、誰かを責める会社では情報が隠れます。逆に、小さな不調を気軽に報告できる会社は、致命的な障害を防ぎやすい傾向があります。
ITの世界に完全な安定はありません。だからこそ、予兆を拾い、冷静に対応できる組織文化を育てることが何より大切です。トラブルの有無ではなく、起きた時にどう行動できるか。
その姿勢こそが企業の強さを決めます。




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