セキュリティソフトと共存する高速化のコツ
- KOBAYASHI

- 3 日前
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PCが重いと感じる原因は、古さやスペックだけではありません。セキュリティのやり過ぎで動作が鈍くなることがよくあります。
ポイントは、守りを弱くせずに二度手間を減らす・混雑の時間を避けるという発想です。専門用語をできるだけ避けて、現場でそのまま試せる形でまとめ直しました。
まず「どこで遅いか」をハッキリさせる
やみくもに設定を触る前に、遅い場面を言葉と秒数でメモします。
例)「朝、サインインからTeamsが動くまで180秒」「Chromeがタブ10枚で引っかかる」。タスク マネージャーのCPU/メモリ/ディスクを眺め、数字が跳ねるアプリ名を控えます。変更は数台のテスト端末で先に試し、改善した秒数を書き残しておくと全社展開が安心です。
同じチェックは1回でいい(わかりやすい重複の例)
難しく考えず、「同じことを二度やってないか」を見ます。
ウイルスの見張り役が2つパソコン側のソフトが常時見張り、さらにもう1本が同じように常時見張り――この二重見張りが重さの定番です。常時監視はどちらか1本に寄せ、もう一方は「手動スキャン専用」や「互換モード」に。
暗号の中身チェックが2回ネットワーク機器でもパソコンでも通信の中身をのぞいて検査していると、ブラウザがもっさりしがち。どちらでやるかを決めて1回に。
メールの検査が2段重ねMicrosoft 365やGoogleの側でしっかり検査しているのに、Outlookなどの端末側でも同じ検査をしているパターン。メールはサービス側を主役にして、端末の再検査は控えめに。
要するに、「どこでやるか」を決めて役割を分けるだけで体感は軽くなります。守りを削るのではなく、二度手間をやめるだけです。
例外(除外)は「作り直せるデータ」だけに
例外は乱発しません。ただし作り直せる作業の副産物は候補になります。開発のビルドでできる一時ファイル、デザインの書き出しフォルダ、仮想環境のイメージなどは、保存のたびに全量チェックするとI/Oが詰まります。
これらは保存時は軽く/開くときにチェックする運用に変えると、目に見えて速くなります。例外は台帳化(どの端末に・いつまで)し、期限を決めて見直すのが安全です。
時間割を変えるだけで軽くなる
フルスキャンは必要ですが、走らせる時間が大事です。クイックスキャンは昼休みなどの固定枠、フルスキャンは週1の夜間に。定義ファイルやアプリ更新は出社直後の混む時間帯を避けて段階配布。バックアップやクラウド同期と重ならないカレンダーにしておくと、ピークがぶつからず安定します。
Windowsの標準機能を味方にする
Windows DefenderやSmartScreen、攻撃をしにくくする各種ルールは標準で強力です。まずここを正しくONにしておくと、別ソフト側の盛り過ぎを減らしても安心感が落ちません。標準に寄せるほど更新の相性問題も起きにくくなります。
ブラウザとクラウド同期の渋滞をほどく
ブラウジングが引っかかるときは、前述の暗号通信チェックの二重化が疑いどころ。証明書の配布や設定は管理側で一本化します。OneDrive/Google Driveは便利ですが、大量の小ファイル×リアルタイム検査で遅くなることがあります。重たいプロジェクトはローカル固定→定時同期に切り替えると、体感がすっと軽くなります。
更新は少人数から順に広げる
セキュリティソフト本体や定義の更新、設定変更は小さく試してから全社へ。IT部門→一部ユーザー→全体のリング配布にすると、万一の不具合でもすぐ戻せます。作業ログは「誰が・いつ・何を変えてどうなったか」だけで十分。次回の判断が速くなります。




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