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使ってない社内PC、まだ働けます~コストをかけず戦力にする方法~

  • 執筆者の写真: KOBAYASHI
    KOBAYASHI
  • 7月24日
  • 読了時間: 3分
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死蔵PC問題は“現場の怠慢”ではなく、“構造的な盲点”

「またPC買うの?」その前に、ちょっと棚を見てください。倉庫で眠るパソコン、実はもう一度使えるかもしれません。

廃棄するにもお金がかかる今、「使わない=いらない」は企業にとって損失です。

どんなに性能が良くても、「使う部署がない」「申請が面倒」「用途が不明」といった理由で、再活用という選択肢が最初から除外される。つまり、死蔵化は物理的ではなく、構造的な問題なのです。



視点を変える:「機械」ではなく「経営資源」としての再定義

PCは単なる業務道具ではありません。ネットワークへの入り口であり、情報インフラそのもの。

にもかかわらず、調達・運用・廃棄が属人的に処理されがちなのが現実です。ここで必要なのが、「機材の棚卸し」ではなく「資源の最適化」という視点への転換。

• どの業務にどれだけの処理能力が必要か

• どの部署でどの程度のスペック差があっても支障がないか

• 既存の在庫でその要件をどれだけ満たせるか

こうしたIT資産ポートフォリオの設計こそが、本来の企業IT戦略に不可欠なのです。



『戦力化』にはまず「分類」からはじめる

死蔵PCを活用できるかどうかは、「何があるか分からない」状態では不可能です。

まずやるべきは、資産としての分類と可視化

✅ 型番・年式・スペック

✅ 稼働状況(起動可/不可、バッテリー劣化など)

✅ 利用想定業務(軽負荷業務、短期用途、予備機など)

これを一覧にまとめることで、割り当て可能な業務とマッチさせるマトリクスが生まれます。



技術的には、蘇る余地がある機種は多い

「もう古いから」と片付けられがちなPCでも、実はSSD換装だけで大幅にスピード改善が見込める機種は多く存在します。

また、OSもWindows 10程度なら、法人ライセンスで十分カバー可能な場合がほとんど。再稼働に必要なリソースは思っているより少なく、逆に再調達や廃棄処理にかかるコストの方が高いケースも珍しくありません。



利用部門との接続コストを下げる工夫

再稼働がうまくいかない理由の多くは、「技術的な限界」ではなく、部署間の壁です。

 • 総務が管理している機材を、現場が使えるようになるまでの手間

 • 情報システム部が関与していない機材の運用に対する不安感

 • スペック不足を言い訳にして新規導入を優先したがる空気感

これらの接続コストを下げるには、再稼働するPCに「目的」「制限」「運用ルール」を明確に添付することが重要です。

【例】「このPCは来客用の限定アカウント端末として使用。社内LANには接続不可」

→ こうしたルールを事前に可視化することで、現場の不安は激減します。



CSRと経営合理性のクロスポイントとしての再活用

死蔵PCの再活用は、コスト削減だけでなく、企業のCSR・SDGs対応にも直結します。

• 資源の浪費を減らす

• 廃棄時の環境負荷を下げる

• 使用可能な端末を新たな購入なしで利用することで、資金配分を最適化

こうした取り組みは、社内の「環境意識」の定着にもつながり、広報・採用活動においても好印象を残す材料になります。



「再稼働」は技術の話ではなく、運用の再設計

死蔵PCを使える1台に変えるために必要なのは、必ずしも技術力やITスキルではありません。必要なのは、 

 • 資産としての再評価

 • 利用可能性を見つけるマッピング思考

 • 管理と運用を橋渡しするルール設計

つまり、「PCの修理」ではなく、「IT運用の再設計」が、企業の未来を変える鍵になるのです。

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