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情シスひとり、社内を守る。“孤高のIT番人”がまずやるべきこと

  • 執筆者の写真: KOBAYASHI
    KOBAYASHI
  • 8月14日
  • 読了時間: 3分
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「また、変なメールが届いてたんですけど……」

「これ、開いちゃったんですけど、大丈夫ですか?」

社内でそんな声が飛び交うたびに、胃が痛くなる。孤高の情シス。気づけば、そんな肩書がぴったりの自分がいた。

攻撃者は組織を狙ってくるのに、守るのはたったひとり。

そんな情シス1名体制の現場で、セキュリティの重圧と戦っている人へ。本記事は、「たったひとりでも、会社のセキュリティ事故を未然に防ぐ」ために、本当にやるべき、そして実は至極単純な初手をお伝えします。予算がなくても、人手が足りなくても、すぐ始められることは、必ずあります。


「まず何をすべき?」の答えは、“放置されてるPC”の見える化

サイバー攻撃の脅威に対抗するには、まず入口を絞る必要があります。

でも、ファイアウォールやUTMといった対策は高額で、1名情シスでは導入も運用も大変です。だからこそ、まず取り組んでほしいのが「放置されているPCの棚卸し」です。

使われていないけどネットにはつながっているPC。退職者のパソコン。誰がいつ使っているか不明なノートPC。これらが、攻撃者にとっての絶好の侵入口になります。

つまり、「今使われていない端末を特定し、ネットから切り離すこと」こそ、コストゼロでできるセキュリティ強化の第一歩です。「なんだ、そんなこと?」と思いましたか?そうです。そんなことなんです。


一番怖いのは「誰も気づいていない端末」

IPA(情報処理推進機構)の報告書でも、情報漏洩事故の多くは「既に社内にある端末からの流出」であることが分かっています。外からの侵入よりも、「社内の見落とし」から攻撃者に足場を与えてしまうケースが、実は多いのです。

見えていない端末が存在すること自体がリスクであり、社内ネットワークの「死角」は、攻撃者から見ると抜け道に過ぎません。「情シスが1人しかいない」「台帳が古くて機器の所在が曖昧」――そんな企業ほど、実は最も対策すべき場所が目の前にあるのです。


「ツールがないから管理できない」は本当か?

資産管理ツールを導入すれば確かに便利です。でもそれ以前に、「今あるPCが全部で何台あり、誰が使っているのか」を、紙でもExcelでもいいから一度リストにしてみてください。

その過程で「部署の隅に、誰も触ってないPCがある」「いつの間にか自前のノートPCを持ち込んでる社員がいる」など、感覚では分かっていたけど、正式には誰も把握していなかったことが可視化されます。

セキュリティ事故のほとんどは、誰も管理していない端末から始まる。逆に言えば、「誰かがちゃんと見ている」という体制さえ作れれば、多くの事故は未然に防げるのです。


1人情シスのあなたが「やらない勇気」を持つ

情シスが1人だけの体制では、「全部を完璧に守る」は現実的ではありません。

それよりも重要なのは、最小限を確実に守ることです。すべての端末をリアルタイムで監視できなくても、「使われていない端末を排除する」「誰がどの端末を使っているか明記する」という運用の地ならしこそが、あなたの会社を事故から救います。

セキュリティ対策の第一歩は、ツールでもマニュアルでもなく、「余分を削る」ことから。その一歩を、今このnoteを読み終えたあとに、始めてみませんか?

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