PCトラブルで業務が止まる前に、情シス担当者が毎朝チェックすべき5つのポイント
- KOBAYASHI

- 2 日前
- 読了時間: 4分

PCトラブルで業務が止まる前に、情シスが「朝5分で見るべきもの」
朝9時。
「パソコンが起動しません」「ネットに繋がりません」「ファイルが開けません」──。情シスのヘルプデスクに問い合わせが一気に押し寄せる時間帯です。
こうしたトラブルの多くは、前日の夜の時点で“予兆”が出ていることが少なくありません。
それでも現場で対処が後手に回るのは、「見るべきポイント」がぼやけたままだからです。
ここでは、情シス担当者が毎朝5分だけ押さえておくと効果が大きいチェックポイントを5つに絞って整理します。
1.前日18時以降のシステムログだけを見る
システムログは膨大ですが、すべてを追いかけていては時間がいくらあっても足りません。
ポイントは、「前日18時以降」に絞って確認することです。
この時間帯には、
・社員の退社時の操作ミス
・夜間バッチやバックアップの失敗
・深夜帯の異常アクセス
といった、翌朝のトラブルにつながるイベントが集中します。
特に注意したいログは、
・ディスク容量の警告
・認証エラーの連続
・バックアップ処理の失敗
の3つ。「数値そのもの」ではなく、「いつもと比べて増え方がおかしくないか」という変化率を見るのがポイントです。
2.8:30時点のネットワーク帯域を“顔色”として読む
ネットワークの状態は、朝8:30の帯域使用率を見るとイメージしやすくなります。
この時間は出社と同時にPCが一斉に動き始めるため、毎日ほぼ同じパターンになりやすいからです。
・通常の半分以下(50%未満)
・逆にいつもの1.5倍以上(150%超)
このどちらかになっている場合は要注意です。
前者は拠点障害やVPNトラブル、後者はマルウェアやループ通信などの異常が疑われます。
あわせて、特定のセグメントだけが極端に低い/高い場合もチェックします。
たとえば営業フロアだけが極端に低いなら、「営業だけネットが不安定」という問い合わせが集中する前に、先回りして状況を確認できます。
3.バックアップは「成功」ではなく「失敗」だけを見る
バックアップ運用で重要なのは、
正常に終わったジョブを眺めることではなく、「失敗したものだけを拾う」ことです。
朝の限られた時間で見るべきは、
・途中で止まっているジョブ
・エラーコードが連続しているジョブ
です。
原因の多くは、
・ファイルロック
・ディスク容量不足
・ネットワーク切断
のいずれかに集約されます。
特に、同じファイルのバックアップ失敗が続いている場合は要注意です。
ファイル破損や不正アクセスの可能性もあるため、該当ファイルの所有者に状況を確認し、必要に応じて早めの対処につなげます。
4.ログイン履歴から“異常な動き”をあぶり出す
Active Directoryなどのログイン履歴は、
トラブルの予兆やセキュリティリスクを教えてくれる情報源です。
毎朝チェックしておきたいのは、
・いつもと違う時間帯のログイン
・物理的にありえない拠点からの同時ログイン
・ログイン失敗の異常な連続
の3つです。
例として、
・普段は9時前後の人が深夜2時にログインしている
・東京と大阪から同じアカウントで同時ログインしている
といった履歴があれば、不正利用の兆候かもしれません。
また、特定ユーザーのログイン失敗が何度も続いている場合は、「朝イチで“ログインできません”と電話が来る候補」です。
本人からの問い合わせを待つ前に、こちらから一歩先に連絡できれば、ヘルプデスクの負荷を下げることにつながります。
5.更新プログラムの適用状況は「全社平均」ではなく「部門別」で見る
Windows Updateや各種パッチの適用状況を見るとき、
全体の適用率だけを見て「90%なら問題ない」と判断していないでしょうか。
実際には、
・特定の部門だけ適用が遅れている
・特定機種だけ失敗が続いている
といった“偏り”こそが、トラブルの火種になります。
部門別や機種別に眺めることで、
・業務アプリとの相性でアップデートを止めている部門
・同じ条件の端末だけ失敗しているケース
を早期に見つけることができます。
この偏りを放置すると、「その部門だけ古い状態のまま」=「その部門だけ高リスク」
という状態が長く続いてしまいます。
朝の5分が、1日の安定を決める
ここまで挙げた5つのポイントは、慣れれば5分程度で一通り確認できる範囲です。
・前日18時以降のシステムログ
・8:30時点のネットワーク帯域
・バックアップの失敗ジョブ
・ログイン履歴の“いつもと違う動き”
・更新プログラムの適用状況の偏り
大事なのは、数字やログそのものではなく、「いつもと違うパターン」を素早く見つけることです。
トラブルが起きてから動くのではなく、“予兆”の段階で一歩先に手を打てるかどうかが、情シスの1日を大きく左右します。




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