アップデートしてますか?~放置されたPCが招く大損害~
- KOBAYASHI
- 8月18日
- 読了時間: 4分

「まだ使えるから問題ない」「面倒だからアップデートはまた今度」──そんなふうに放置されたパソコンが、会社にとって最も危険なセキュリティホールになっているかもしれません。今やサイバー攻撃は、業種・規模を問わず、あらゆる企業を無差別に狙っています。そしてその多くが、ちょっとした油断をきっかけに被害を広げているのです。
なぜアップデートはこんなに多いのか?
Windows、Adobe、セキュリティソフト、各種アプリケーション…通知が来るたびに「またか」と感じたことがある人も多いでしょう。でもこの頻度の高さは、攻撃の進化スピードが速すぎるという現実の裏返しです。世界中で発見され続けているソフトウェアの穴(=脆弱性)は、見つかってからわずか数日で攻撃ツールとして悪用されるケースも少なくありません。だからこそ、メーカーは急いでパッチ(修正プログラム)を出し、ユーザーにアップデートを促しているのです。つまり、アップデートとは「機能を便利にするため」ではなく、「すでに知られている攻撃から守る最後の手段」でもあるということ。更新を怠るというのは、既に知られている弱点を放置している状態なのです。
攻撃者は“甘い企業”を狙ってくる
そして攻撃者が狙うのは、「厳重に守られている大企業」ではありません。セキュリティが甘く、アップデートもされていない無防備な相手を、自動的にスキャンして見つけ出しているのです。つまり、「うちは小さい会社だから大丈夫」と思って対策していない企業こそ、最初に見つかって、最初に被害を受けやすいのです。これは運ではなく、「防御していないこと」が狙われる理由になっているという、厳しい現実です。
古い1台が、会社全体を危険にさらす
サイバー攻撃による被害は、決して派手な「映画のような乗っ取り劇」ではありません。むしろ、静かに、気づかれないまま侵入され、ある日突然業務が止まるという形で現れます。よくあるパターンとしては
ランサムウェア感染:ファイルが暗号化され、「復元したければ金を払え」と要求される
情報漏洩:顧客データや取引先情報が流出し、信用が失われる
踏み台攻撃:自社のPCが乗っ取られ、外部への攻撃に利用される
メール詐欺(BEC):社内メールが偽装され、経理部が送金してしまう
そしてそのきっかけが、倉庫に眠っていた古いPCや、退職者の端末、現場でしか使っていない放置マシンだった──という事例は少なくありません。
買い替えが正解?──その前に「見える化」が先です
「じゃあ、社内のPCを全部新品に入れ替えないとダメなのか?」…と思うかもしれませんが、それが唯一の正解ではありません。大事なのは、現状をきちんと把握すること=見える化です。
社内にある端末は何台?
最後にアップデートされたのはいつ?
サポート切れのOSは動いていないか?
セキュリティソフトが止まっている端末は?
まずはこれらを洗い出し、危険度を評価することがスタートライン。そのうえで
更新可能な端末は速やかにアップデート
物理的に隔離できる端末はネットワークから外す
用途限定やVPN制限で利用範囲を制御
など、コストを抑えつつリスクを減らす手段を選ぶことが可能です。
「人手が足りない」現場でも、外部支援で対応できる時代へ
特に中小企業では、情報システム担当が1人しかいない──あるいは兼務で専門知識のない人が担当しているケースも珍しくありません。
その結果、「台帳はあるけど実際の更新状況は分からない」「現場任せになっていて、何がどうなっているか把握できない」という状態が続き、何年も放置された空白地帯が生まれてしまうのです。
そんなときは、外部のIT管理サービスや点検パックを使う選択も視野に入れてください。定期的なアップデート状況の確認や、リスク診断、OSのサポート期限の警告など、社内の負担を大きく減らしながらリスクを可視化できます。
今動いてる=安全、ではない
アップデートを怠った端末は、目には見えなくても扉が開きっぱなしの状態です。そして攻撃者は、そのドアを叩いてくるのではなく、静かに中に入り込みます。「何も起きてないから大丈夫」と思っているときこそ、最も危ないのです。どうか、会社の当たり前を一度疑ってみてください。社内のパソコン、最後にアップデートしたのはいつですか?
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