その共有、危険かも?~クラウドストレージ“共有リンク”の盲点とは~
- KOBAYASHI

- 9月2日
- 読了時間: 3分

「PDF、URLで送っておきました!」こうした日常業務のやり取りが、ある日突然情報漏洩の入り口になるとしたら?
便利なクラウドストレージも、使い方を誤れば、社外に機密情報が丸見えになるリスクをはらんでいます。
特に見落とされがちなのが「共有リンクの設定」です。これは、ファイルの中身がどうかという以前に、誰がアクセスできるかという扉の鍵を閉めているかどうかの話。鍵がかかっていない家に高性能なセキュリティシステムがあっても、意味はありません。
リンクを知っていれば誰でも閲覧可─この設定、見落としていませんか?
GoogleドライブやDropbox、OneDriveなど、多くのクラウドサービスは「共有リンクを知っている人は誰でも閲覧可能」という初期設定を持っています。
この機能はとても便利。しかし「相手のメールアドレスを指定しなくても共有できる」というその手軽さが、逆に情報漏洩リスクを高めていることに気づいている企業は意外と少ないのです。
たとえば「社外に送ったリンクが、無関係な第三者に転送される」「添付されていたリンクが、社内チャットやSNSで誤送信される」「数年前のURLが、いまだに生きていて検索エンジンに拾われている」これらはすべて、閲覧制限がかかっていなかったことが原因で起こる事故です。
誰でも見れるリンクが、何年も放置されていたら?
業務マニュアルや会議資料をGoogleドライブやDropboxで共有する際、「リンクを知っていれば誰でも閲覧可」の設定のままURLを配布していませんか?
この設定が放置されると、思いもよらないリスクが広がっていきます。
たとえば、退職者の私用端末にURLが残っていて、意図せず第三者に共有されてしまうケース。また、社内チャットで送ったリンクがそのまま社外に転送されることもあります。さらに、一部のケースでは、設定次第で検索エンジンにインデックスされてしまい、インターネット上の誰からでもアクセス可能になることすらあるのです。
こうした事態は、実際に国内外で報告されており、共有リンクの初期設定や共有後の管理の甘さが根本的な原因となっています。
セキュアな共有とは、『技術』より『習慣』にある
ファイルを暗号化する、アクセスログを監視する――確かに大切な対策ですが、それ以前に必要なのは「クラウド共有時の基本的な癖づけ」です。たとえば
初期設定のままリンク共有しない
メールアドレスで共有相手を明示する
閲覧期限を設ける
(可能なサービスでは)パスワード保護を設定する
不用あ共有リンクは定期的に削除する
技術的なスキルではなく、「毎回ちゃんと設定する」という意識そのものが、情報漏洩を防ぎます。クラウド活用が進む今、これは情シスだけの仕事ではありません。
「セキュリティ事故が起きてから」では遅い
怖いのは、クラウドサービスのトラブルは静かに進行するということです。メール添付と違い、クラウドのリンクは送信後も中身の更新が可能なため、「共有した内容が後から変わった」「誰かが勝手にアクセス権を変えた」など、見えないところで事故が起きているケースも多くあります。そして、情報漏洩が発覚したときにはもう、誰がどこで見たか分からない。ログも残っていない――そんな事態に陥るのです。
「共有って、こんなに怖いんですね」とならないために
私たちはクラウドストレージの手軽さに慣れすぎてしまいました。
でも、その裏には「見えない扉がいくつも開きっぱなしになっている」ことがあるのです。今一度、自社のクラウド共有方法を見直してみませんか?共有リンクの設定、今すぐ確認してみてください。




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