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どこまでOK?どこからNG?~テレワーク時代の情報の境界線~

  • 執筆者の写真: KOBAYASHI
    KOBAYASHI
  • 8月28日
  • 読了時間: 3分
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このデータ、持ち出してもいいのかな?

在宅勤務が当たり前になった今、社員がふと迷う“判断のグレーゾーン”が増えています。社内にいるときには自然と守れていたセキュリティルールが、家に持ち帰った瞬間、どこかで曖昧になってしまう。

そしてその曖昧さが「まぁ大丈夫だろう」という油断を生み、「そんなつもりじゃなかった」事故につながることもあります。



守れないのは、ルールが伝わっていないからかもしれない

自宅で作業していると、ふと手が止まる瞬間があります。この資料、会社のルールではどうだったっけ?私物のパソコンで開いていいのか、それとも禁止されていたか。Google DriveやDropboxに入れても問題ないのか。会議資料を印刷するのに、自宅のプリンターを使って大丈夫?そのたびに迷っていては仕事になりません。

でも実際、どこまでがOKで、どこからがNGなのかを判断できないまま、「なんとなく」で動いている社員は少なくありません。

この状況の原因は、社員の意識不足ではなく、会社側が判断基準を明確に示せていないことにあります。



曖昧なルールは、事故を引き寄せる

社内のセキュリティポリシーはあっても、それがテレワーク前提で整備されているケースはまだまだ少数です。しかも多くの企業では、「社内ではこうする」というルールが中心で、「社外ではどうするか」という部分がぼんやりしていることが多い。その結果、社員が自分で線を引くしかなくなる。でも、線引きは人によってバラバラです。「自分では大丈夫と思っていた」が、後からルール違反だったと知らされる。そういったすれ違いが、情報漏洩や社内トラブルの火種になっています。



「禁止」ではなく、「迷わせない仕組み」を

セキュリティ強化というと、「禁止項目の列挙」になりがちです。でも禁止ばかりを並べても、現場では判断に困るだけです。大事なのは、迷わなくて済む仕組みを作ること。どこまでが許可されていて、どこからが禁止なのか。自分の行動がルールのどこに当てはまるのか。それを直感的に理解できる環境にしておくことが、社員の判断ミスを減らし、行動を迷わせない土台になります。そのためには、OK/NGの区別を感覚的に伝えるチャートや、SlackやTeamsなど日常の業務動線上で簡単に確認できる仕組みが効果的です。厚い規定書を読み返さなくても済む、そういった仕掛けが求められています。



緩いルールは『優しさ』ではない

「うちは社員を信頼しているから、ルールはそこまで厳しくしていない」そういう企業もあります。でも、信頼と無対策は別です。信頼しているからこそ、迷わせないための線引きが必要です。「信頼しているから、何をしてもいいよ」ではなく、「信頼しているからこそ、あなたが迷わないように整備してあるよ」と伝えるほうが、社員にとっても安心です。判断に時間を取られる状況こそ、現場のストレス。セキュリティを守るための線引きは、社員の働きやすさにも直結しているのです。



「うちは大丈夫」から、「どこまでが大丈夫か」へ

コロナ禍で急激に進んだテレワーク対応。その中でなんとなく運用されてきたルールや境界線が、今あらためて見直されるべき時期に来ています。あいまいなままで放置されたままのルール。浸透しているようで、実は誰も把握していない基準。それらを一つずつ整備し直すことで、社員が安心して判断できる環境ができていきます。

「守らせる」ではなく、「守りたくなる」。そんな仕組みを、今だからこそ考えてみてはいかがでしょうか。

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