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それ、本当にSDGs?~見た目に惑わされず、企業として“選ぶ目”を持つために~

  • 執筆者の写真: KOBAYASHI
    KOBAYASHI
  • 7月29日
  • 読了時間: 4分
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最近、SDGsという言葉を聞かない日はないほど、企業のさまざまな場面で使われるようになりました。

「環境に配慮しています」「持続可能な社会の実現を目指しています」といったメッセージをホームページやパンフレットで目にすると、少し安心した気持ちになる方も多いのではないでしょうか。

でも、ちょっとだけ立ち止まって考えてみてほしいのです。

それらの言葉やアイコンは、本当に中身が伴っているのでしょうか?

最近では、見た目や言葉だけで「SDGsに取り組んでいるように見せる」ケースも増えてきました。いわゆる「SDGsウォッシュ」と呼ばれる現象です。

これは、意図的なごまかしとは限りません。企業自身も「やっているつもり」で発信していることも多く、見る側としても判断が難しいのが現実です。

けれど、SDGsという言葉が広まった今だからこそ、「ちゃんと中身を見て選ぶ目」を持つことが、企業としてとても大切になってきていると感じます。



『エコっぽい印象』だけで安心してしまわないために

たとえば、

「紙の使用量を削減するためにペーパーレス化を進めています」

「社内照明をLEDに切り替えました」

「環境に配慮した新パッケージに変えました」

──こういった取り組みを掲げている企業は少なくありません。もちろん、どれもすばらしい取り組みですし、はじめの一歩としてとても大切なことだと思います。

けれど、それだけを見て「この企業はSDGsにちゃんと取り組んでいる」と判断してしまうのは、少しもったいないかもしれません。

たとえば、大量の電子機器を扱っていながら、廃棄や再利用の仕組みが曖昧だったり、処分の流れがブラックボックスになっていたりするケースもあります。

「見えるところ」だけでなく、「見えにくいところ」でどんな姿勢を持っているか。

それを知ろうとする視点が、企業を見る目としてとても大切になってきます。「環境にやさしそうに見える」ことと、「環境にやさしい行動を選び続ける」ことは、必ずしも一致しません。

本質を見抜くには、印象ではなく継続性や仕組みに注目する視点が大切です。



表面より「仕組み」に注目する視点を

企業の取り組みを見るとき、キャッチコピーやアイコンだけではなく、その背景にある仕組みや判断基準に目を向けてみることをおすすめします。

たとえば、

• 環境配慮が社内ルールとして定着しているかどうか

• 単なる営業トークではなく、社内全体で共通認識が持たれているか

• 持続可能性が利益とどのようにバランスを取っているか

など、企業の「意思決定の姿勢」が見えてくると、本当に信頼できるパートナーかどうかがわかってきます。

これは購買担当の方や、協業先を選ぶ立場にある方にとって、とても重要な判断材料になるはずです。



流行語より、日々の選択に注目したい

最近では、「カーボンニュートラル」「サーキュラーエコノミー」などのキーワードも広く使われるようになっています。もちろん、これらの考え方はこれからの企業にとって大切な視点です。

ですが、その言葉がどのような背景で使われているか、具体的な取り組みとつながっているかどうかを、少し立ち止まって見てみることも大事です。

もし、その言葉に対する具体的な説明がなかったり、活動内容に具体性が見えにくい場合は、「今はこれが求められているから使っているだけかもしれないな」と、ひとつのサインとして受け取ってもよいかもしれません。



持続可能とは、企業の姿勢を問う言葉

SDGsは、ただのイメージ戦略ではありません。

見栄えのよさや響きの良さではなく、「何を大切にして、どんな選択をしているのか?」という企業の姿勢が問われる時代です。

たとえば、短期的な利益を優先すれば、古くなったパソコンをすべて廃棄して新品を導入する方が効率的かもしれません。でも、「もう少し使えるかもしれない」「整備すれば次の人に渡せるかもしれない」と考えて行動できる企業には、長く付き合える安心感があります。

これはSDGsの17項目のうち、環境だけにとどまらず、「働きがい」「経済成長」「パートナーシップ」など、他の目標にも深くつながっています。




私たちは今、選ぶ立場として「どんな企業と関わっていきたいか」を見つめ直すタイミングにいるのかもしれません。SDGsという言葉に安心しすぎず、でも疑いすぎず。

企業の取り組みを、やさしい目で、でもしっかりと見つめる。そんな姿勢を大切にしていけたら、より誠実なパートナーシップが生まれていくのではないかと思います。

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