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ウイルスソフトは進化する。でも、ウイルスはもっと速く進化する~セキュリティは“入れただけ”では守れない時代に入っています~

  • 執筆者の写真: KOBAYASHI
    KOBAYASHI
  • 8月26日
  • 読了時間: 3分
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「ウイルスソフト入ってるから安心」はもう通じない時代

「ちゃんとウイルスソフト入れてますよ」そう胸を張って言う経営者が、セキュリティ事故に巻き込まれる。そんな話は、今や珍しくありません。

なぜ備えていたはずの企業が被害にあうのでしょうか。そこには、守ってくれるはずという思い込みと、攻撃手法の進化という、ふたつのズレがあります。



ウイルスソフトとウイルスの進化合戦

かつてのサイバー攻撃は、わかりやすく「怪しいファイル」や「ウイルスメール」として届いていました。それらを検知して駆除してくれるソフトは、企業の守りの要でした。

でも今はちがいます。攻撃者は、ウイルスソフトの更新スピードすら織り込んで攻撃してきます。ソフトが対応する前に、その穴を突いてくる。ソフトを強化してもしても、ウイルスはそれを突破してくる。これはいわば、「進化合戦」です。

しかも攻撃方法も、巧妙かつ多様化しています。・クラウドサービスそっくりの偽サイトに誘導し、IDとパスワードを抜く・問い合わせフォームを使ってマルウェアを送り込む・社員のSNSから情報を集め、信頼を装って侵入するどれもファイルではなく、ふつうの画面に見えるのがポイントです。つまり、ウイルスソフトは検知すらできないことがある。



“入れてるだけ”の対策は、もはや無防備と同じかもしれない

ちょうど最近も、政府機関や企業を巻き込む大規模なサイバー攻撃が報道されました

今のセキュリティに必要なのは、「ツール」よりも「考え方のアップデート」です。

例えば・怪しいメールやURLに気づけるか?・退職者のアカウントを放置していないか?・管理者権限が、誰にどこまで与えられているか把握しているか?・定期的な見直しが、ルールではなく習慣になっているか?

これらは、ウイルスソフトでは守れません。そして多くの攻撃は、まさにこのスキを狙ってきます。「うちは狙われるような会社じゃない」それがいちばん危ない。攻撃者は「防御されている相手」ではなく、「防御していないままの誰か」を狙っています。

規模でも、知名度でもなく、入りやすさでターゲットを決める時代なのです。実際に、全国の中小企業を一斉にスキャンし、セキュリティ設定が甘いところにだけ攻撃を仕掛けるケースも増えています。自分たちが“選ばれない”と思っている企業ほど、狙われやすい。これは不安を煽る話ではなく、事実として起きていることです。



「ウイルスソフトがあるから大丈夫」は、すでに通用しない。

もちろん、ウイルスソフトが不要だという話ではありません。

ただ、それだけでは不十分になった。それが今の現実です。

セキュリティは「導入」より「運用」、そして正解が固定されないからこそ、定期的な見直しが不可欠です。たとえば、「半年に一度、パスワードの棚卸し」「全社員のアカウント権限の点検」「退職者アカウントの即時削除」、これだけでも、セキュリティリスクは大きく減らせます。

「まだ何も起きていないから大丈夫」ではなく、「まだ気づいていないだけかもしれない」という視点を持つこと。経営者自身が、「ウイルスソフト=安全」という神話から抜け出せるかどうか。それが、これからの企業にとって本当の意味での守りになるのではないでしょうか。


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