知らないと損する、PCが重くなる本当の理由
- KOBAYASHI

- 11月6日
- 読了時間: 4分

パソコンを使っていて「最近どうも遅い」と感じる瞬間は誰にでもあります。クリックしてから反応までに数秒待たされる。アプリの切り替えにやたら時間がかかる。起動してから作業開始までにコーヒーを一杯飲めるほど待たされる。こうした重さの背景には、いくつかの共通した理由があります。まずは原因を正しく理解しなければ、いくら対策を積み重ねても本質的な改善は見込めません。
「重い」とは何が起きているのか
重いという表現は感覚的ですが、実際には 処理待ち時間が積み上がっている状態を指します。例えばクリックしてもウィンドウが固まったままなら、裏側ではストレージの読み書きが詰まっていることが多いです。アプリの切り替えがもたつくなら、メモリ不足によって一部のデータがストレージに退避されている可能性が高いでしょう。起動が遅い場合は、不要なアプリが自動で立ち上がりすぎているケースが典型です。原因を大きく分ければ「起動時の負担」「ストレージの余裕不足」「メモリ消費」「通信環境」「バックグラウンド処理」の五つに整理できます。今は使わないけど、すぐに使えるようにいくつものアプリやブラウザを開きっぱなしにしている――身に覚えはありませんか?
起動の遅さと自動起動アプリ
業務用PCでよく見られるのは、スタートアップ項目が過剰になっているケースです。チャットや会議システム、クラウドストレージ、便利ツールなどが次々に立ち上がれば、それだけで数十秒から数分の差になります。必要なのは「常に起動していなければならないもの」と「使う時だけ起動すればよいもの」を切り分けることです。TeamsやZoomを毎朝自動で立ち上げる運用をやめるだけでも、朝一番の立ち上がりが格段に軽くなります。
ストレージの空き容量と応答の遅れ
アプリをクリックしてから「応答なし」と表示されるのは、ストレージの書き込みが詰まっているサインです。SSDやHDDには一時ファイルやキャッシュを置くための余裕が必要で、容量がほぼ満杯になると処理が急激に遅くなります。最低でも1〜2割の空きを確保しておくのが目安です。動画や写真、過去の大容量データは外付けディスクやクラウドに移すだけでも、PC全体の動きは大きく改善します。
メモリ不足がもたらすもたつき
複数のアプリを同時に開いたとき、切り替えが鈍いと感じたらメモリ不足が疑われます。ブラウザのタブを大量に開きっぱなしにする習慣も負担を増やします。仮想メモリを自動管理にしていても限界を超えれば結局ストレージに退避し、処理速度は落ちます。常に使用率が高止まりしているようなら、メモリ増設を検討するのが現実的です。
ネットワーク環境の影響
クラウド作業やWeb閲覧だけが遅い場合、PCそのものよりも通信環境に原因があります。速度の数値よりも応答時間の悪化が体感に直結します。Wi-Fiの電波状況やVPN経由のトラフィック増加が影響することも多く、有線接続に切り替えるだけで安定するケースもあります。
アップデートとセキュリティ処理
更新プログラムやセキュリティスキャンは欠かせませんが、タイミングを誤ると業務を妨げるほどの重さを生みます。Windows Updateを業務時間に走らせれば、作業が進まないのは当然です。更新は夜間に、フルスキャンは昼休みに、といったルールをあらかじめ設定しておくことが重要です。セキュリティソフトを複数同時に入れてしまうのは逆効果で、常駐処理の競合を引き起こします。
運用ルールが高速化につながる
技術的な調整だけではありません。社員全員が「朝一で全てのアプリを(使う使わないは別として、とりあえず)一斉に立ち上げる」といった習慣を持てば、それだけでPCは重くなります。組織として、必要な人が必要なときにだけ起動するというルールを作ることも、立派な高速化施策です。日々の運用に手を入れるだけで体感は大きく変わります。
軽さを維持する習慣
最も重要なのは、一度改善しても油断すればまた重くなるということです。月に一度は不要ファイル整理、半年に一度はストレージとメモリの使用状況を確認する──こういったことをルーティン化すれば、大掛かりなメンテナンスをする前に兆候を掴めます。高速化は一回限りのテクニックではなく、習慣として根付かせることが本当の解決策です。




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