メモリ不足の解消法
- KOBAYASHI

- 7 日前
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ブラウザと業務アプリを並べた瞬間に画面が固まる。原因は「CPUの性能不足」より、実はメモリ(RAM)の余裕がないことが多いです。しかも、同じ台数でも使い方次第で快適さは大きく変わります。この記事は「買い替え前に、まず現場でできること」を軸に、観察 → 設定 → 増設の順で、法人の実務に合わせて整理しました。
まず「観察」──本当にメモリが足りていないのか
体感の重さは人によって違います。数字で確かめましょう。タスク マネージャー(Ctrl+Shift+Esc)→[パフォーマンス]→[メモリ]を開き、以下を数日観察します。
👉使用率が常時80%前後で張り付き、アプリ切替時に待ちが出る
👉余裕(空き)がほぼなく、ブラウザのタブ切替でフリーズ気味
👉起動直後は軽いが、午前中のメール・会議・資料作成で急に重くなる
この挙動が続くなら、次の「設定」を見直す価値が高いです。
ブラウザの癖を整える
社内の遅さの大半はブラウザが握っています。拡張機能、常時開きっぱなしのタブ、動画会議の同時実行――どれもメモリを食います。
メモリセーバー/スリープタブを有効化Chromeは設定→「パフォーマンス」→「メモリセーバー」。Microsoft Edgeは設定→「システムとパフォーマンス」→「非アクティブ タブをスリープ」。これだけで未使用タブの占有がぐっと下がります。
タブの駐車場を作る今日使わないリサーチ系タブはブックマークの専用フォルダへ退避。タブを閉じること自体が心理的に難しいなら、「今日」「今週」などのフォルダ名で一時退避先を用意すると運用が続きます。
拡張機能は四半期に一度棚卸し便利な拡張ほど忘れて積み上がります。使っていないものはオフに。
仮想メモリは原則自動のまま
Windowsは不足分を仮想メモリ(ページファイル)に逃がします。ここを手動でいじるとむしろ不安定化することがあります。原則は 「すべてのドライブのページング ファイル サイズを自動的に管理」 を有効のまま。やむを得ず固定する場合は、Windowsが表示する「推奨値」に合わせるのが安全です。
設定手順(必要なときだけ)
コントロール パネル → システム → システムの詳細設定 →[パフォーマンス]の[設定]→[詳細設定]→[仮想メモリ]
SSDの寿命を過度に心配して仮想メモリをゼロにするのは逆効果。極端な設定は避けましょう。
アプリの同時実行を設計し直す
一人ひとりの作業動線を見直すと、メモリは驚くほど戻ります。オンライン会議+大容量のスライド編集+クラウド同期の全走は衝突しやすい組み合わせ。会議の録画や背景処理は事前にオフ、同期は昼休みや退社時に集中させるなど、時間で分離させるだけでも体感が変わります。
増設の判断基準──「16GBで足りる?」の答え方
観察と設定の見直しを1週間ほど試しても改善しなければ、物理メモリの増設を前向きに。目安は次の通りです。
8GB:Office+メール+ブラウザ中心でタブ多めなら厳しい。16GB:一般的なバックオフィスの標準ライン。Teamsや会議アプリ常用でも安定。
32GB以上:画像編集、複数の仮想環境、データ解析など重い業務がある部署向け。
また、タスク マネージャーの[メモリ]に表示される「使用中のスロット」(例:1/2)が空きスロットありなら、同容量のモジュールを追加してデュアルチャネル化(2枚組の対称構成)すると効率が上がります。
増設前に絶対に確認する3点
規格:DDR4かDDR5かは混在不可。機種の仕様で確認。
形状:ノートは多くがS.O.DIMM、デスクトップはU-DIMM。
最大容量:メーカー仕様の上限とスロット数。オンボード(基板直付け)機は増設不可もあります。
できれば同一メーカー・同一仕様で揃えるのが無難です。混在は動作はするものの、遅い方に引っ張られる場合があります。
交換作業のコツ(社内で実施するなら)
電源オフ→ケーブルを抜く→静電気対策→正しい向きで垂直に差し込み、ラッチがカチッと固定されることを確認。装着後はBIOS/UEFIやWindows上で合計容量が正しく認識されているかをチェック。万一起動しない場合は、新規モジュールのみで単体起動→差し替えの順で原因を特定します。
買い替えないためのルール化
部署別に標準メモリ構成を決め、調達時に固定するのがコスト効率的です(例:事務16GB、制作32GB)。同時に、ブラウザのメモリ節約機能は標準設定でオンに。これだけで、廃棄や入替を先延ばしでき、環境負荷の低減にもつながります。




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